Roti Harapanって?

Roti Harapan(ロティ ハラパン)はインドネシア語で、Roti=パン、Harapan=希望 という意味です。

 

Roti Harapanのパンを焼いている神石高原町は、私(店主)の生まれ故郷です。現在は、日本の多くの中山間地域と同じように過疎・高齢化がすすみ。地域の維持・活性化が課題となっています。数年前からそんな故郷のために少しでも何かできることはないかと考えるようになりました。ここに、たくさんの方に来ていただき喜んでいただけることはできないか。そして、天然酵母でパンを焼いて皆さんに故郷に来ていただくきっかけを作ろうと思いつき、家族や地元の皆さんやたくさんの方の協力のもとに、2013年3月から、故郷の神石高原町牧で開業しています。店名には、故郷がこれからも元気であるようにとの思いを込めています。

 パン工房となごみ空間に改築した建物を、「ちほう庵」と名付けることにしました。

      (ちほう=地方? 痴呆? ◎『地宝』)

 

 この「ちほう庵」は、かつて農機具小屋であり、農作業場であり、神石牛の牛小屋であり、その牛が食べる藁(わら)の貯蔵庫であり、70年以上前には蚕も飼っていた建物です。「ちほう庵」と名付けたのには、『地域』の『宝』を「見直そう」「見付けよう」という思いがあります。

 開業当初は、ここに多くの方に集っていただき、つながりをつくり、来ていただいた皆さまに「よかった」と思っていただけることでした。そして、地元を元気にするためにほんの少しでもお役に立てることでした。

 開業以来5年、うどんセミナー、よもぎオイルセミナー、ラベンダー畑復活プロジェクト、染物教室、JAZZコンサートなどさまざまイベントを開催しその思いは少しは実現したのではないかと思っています。

 

この扁額は、福山市で活躍中のTさんに書いていただいたものです。長年木小屋に眠っていた板を磨いてお願いに行きました。店主の思いを汲んで伸びやかで素敵な字を書いてくださいました。

この建物に使われている柱は、リサイクルされたものです。90年以上前、近くにあった民家に使われていた柱を店主の祖父が譲り受けてこの建物を建てました。ですから、柱自体は100年以上の歴史を持っています。

 

 この建物は、かつて農機具小屋として使用されていました。ですから壁は荒壁のままでした。その壁を、中塗り、上塗りして仕上げてくれたのは、店主の長女です。シックハウスなどではない日本古来の伝統的な左官技術を学びたいと佐賀県武雄市の親方のもとで修業してきました。「ちほう庵」の壁も、泥を数か月寝かせ、「すさ」と呼ばれる藁を刻んだものをと混ぜて、壁土を自分で作って塗っています。

 

 

 土壁と木の柱の建物は、夏、屋外が34~5度あっても屋内は25度前後と、断熱効果抜群です。パン酵母たちもこの環境を気に入って美味しく発酵してくれているように思います。

長年の囲炉裏で火を焚かれたことで燻された2階の部屋。落ち着きます。宿泊施設として利用できないか、検討中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パン工房の吹き抜け部分。

屋根からの明り取り、壁はすさを刷毛でこすって趣を出した中塗り仕上げ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スズメバチの巣。今は撤去しています。